サービス(テニス)練習機

このコロナ禍で殆どの施設が閉鎖の中、テニスコートも例外ではありません。少しでも練習ができないかと思い、このサービス練習機を考案しました。ログハウスのスペースでは平地が取れないので、壁打ちならぬ”網打ち”式とし、打ったボールが返ってくるように進めました。ところが、ボールの受け皿から打点間の落差(h)が決まっているため、いかに転がり抵抗を減らすか。しかし打ったボールはいかに減衰させるか。格闘しました。

ネットの設計1

ネットは「園芸ネット 2×3m 25mm目」を使い、木枠で垂直に張りました。ボールの受け皿は、デッキルーフに使用している”UVシート#4000をあの”ハーフパイプ”形状に裁断。当初はネットとシートを繋げていたため、ボールが反発して受け皿に入る確率が上がりません。そこでネットの支柱を前傾させてみたもののNG。結局、ネットと受け皿は分離させることでとりあえず解決。(サービススピードが上がれば張り方の再考要)

ネットの設計2

 

ネットではじかれたボールがハーフパイプ状のシートに落ちた時、低い方向へ向かっている場合はOK。そうでないときは転がるエネルギーが弱いのでシートのちょっとした凸凹でストップ。ハーフパイプの斜度の変更はネットの打撃ゾーンを狭めるので簡単ではない。そこでガレージ屋根の余りのアクリル板を利用。

ネットの設計3

アクリル板はシートに両面テープで固定します。また3分割しているのもボールが引っかからない工夫です。更にネットの下端は、ボールに接触しないよう浮かしています。

レールの設計1

当初は孟宗竹であの”流しソーメン”式をイメージしていましたがNG。ボールが横壁に当たるたびに転がるエネルギーが消耗していくのです。そこで脱線しない程度の軌道幅のレールで転がすことに。

レールの設計2

この練習機の設置場所は、本来のコートは12mに対し9mしか取れないところです。なので「位置エネルギー」はコートと比べると有利ですが、それでも何回に1回はボールが止まってしまう。徹底した阻害要因の洗い出しが必要。

レールの設計3

レールは檜材。全長は約9m。2m/本を4本と残りを つなぎ部も細心の注意を払ってズレを無くさないとここでもロスが。

ボールの取り回し

レールを転がってきたボールの処理⇒効率よく打ち返すための工夫として2つの籠と籠台を考案しました。
①取りやすい高さのボールをリズミカルに打てる(ボールボーイが球を手渡ししてくれるような感じ)
②戻ってきた球はもう一つの籠へ③すべて戻ってきたら空籠と交換

   

戻ってきた全ての球

まとめ

①ネットの張りはボールの勢いを極力減衰させたいため、”暖簾”のイメージで。
②受け皿(ハーフパイプ)は硬質の平滑な材料を使い、転がり抵抗を抑える。
③レールは2本の一定幅軌道で転がせる。他の部分は接触させない。継ぎ目の抵抗を極力抑える。
④打ったボールをネットで受けて、重力だけで元の位置へ戻すには、12mでは無理。 たまたま9mだったので何とか出来たようです。